普段は自宅で過ごしている要介護者や要支援者が、より自立して日常生活を送れるように利用する通所リハビリテーションのことをデイケアと呼びます。デイサービスと違い、利用するには医師の指示書が必要です。デイケアでは理学療法士による専門的なリハビリを受けることができ、退院直後の再発予防、筋力低下の阻止、日常の生活リズムを整えるといった目的で利用します。また、同年代の人が集まるため、孤独になりがちな老人にとっては社交の場となり、集団の中のコミュニケーションで刺激を得ることができます。入浴や食事などのサービスもあり、日中に見守る人がいない要介護者が利用することもあります。
それぞれの要介護のステージによってデイケアの目的はさまざまです。薬物による治療ではなく、専門のスタッフが集まって要介護者の生活をサポートをし、自立に向けたリハビリを行うことで社会復帰を目指すのがデイケアの特徴です。なにより、積極的に外に出る機会を設けることで、再び社会の中で生活していくことを促しています。これがデイケアの重要な役割で、その先には自立した生活へのステップが見えてくることになるのです。
今まで家に閉じこもっていた人や、社会生活から一度離れた人が、健康になり社会生活にスムーズに戻れるようにするため、デイケアの役割は重要です。そういった人達が再び社会に出て生活することは、地域全体のQOL向上に繋がります。デイケアの効果は単に個人の生活の質の改善に留まらず、その地域の生活を豊かにできる可能性があるのです。