介護が必要な高齢者が日中利用する場所の一つに、デイケアと呼ばれる施設があります。似たような施設であるデイサービスは聞いたことがあっても、デイケアについてはよく知らないという人は多いのではないでしょうか?デイケアもデイサービスも介護保険法によって提供されますが、その内容は異なります。介護保険法で「通所介護」と記載されるデイサービスでは、入浴、食事、レクリエーションなどの介護が行われます。
それに対して、デイケアの正式名称は「通所リハビリテーション」です。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職が常駐していて、身体機能の維持や回復、認知機能の改善を目標に、リハビリを行っています。中には、デイサービスと同じように入浴や食事などの介護サービスを提供しているところもありますが、基本的にリハビリに重きをおいた施設です。また、デイケアは医師の指導の下で実施されるため、介護老人保健施設、病院、診療所のみが運営することができます。
しかしながら、近年この二つの施設は、従来通り区別できるものではなくなりつつあると言われています。例えば、デイサービスの中にはリハビリプログラムを実施する、リハビリ特化型デイサービスが増えています。また、デイケアでも、美味しい食事にこだわったり季節ごとの行事を実施したりする施設もあります。そのため、勤務先を選ぶ際は、デイサービス、デイケアという枠組みにとらわれ過ぎず、それぞれの施設の特徴を調べることが大切です。